『Detroit: Become Human』で知られる開発スタジオ「クアンティック・ドリーム」。そのスタジオが手掛けたもう一つの名作が『Beyond: Two Souls』です。『Detroit』が好きだった方なら、一度はその名前を耳にしたことがあるかもしれません。
この記事では、「霊体を操るユニークなゲームシステム」から、「ハリウッド俳優を起用した映画のような物語」、そして「非時系列で描かれる主人公の波乱万丈な人生」まで、『Detroit』とはまた違う、その独特な魅力の要点が分かります。
ゲームが苦手なアンドロイドの「メリ」と、イマドキな高校生「ケン」の対話を通して、その魅力を楽しく学んでいきましょう。
ねえねえ、ケン!『Detroit』を作った会社って、ほかにも面白いゲームを作ってるの?
『ビヨンド』っていうのを聞いたんだけど、どんなお話?
ああ、『Beyond: Two Souls』のことか。それも『Detroit』と同じ開発元だ。
ジャンルも同じインタラクティブ・アドベンチャーだな。
わー!おんなじなんだ!じゃあ、これもアンドロイドのお話なのかな?
いや、全然違う。主人公はジョディっていう特別な力を持った少女で、エイデンっていう名前の霊体とずっと一緒に行動する話だ。
れ、霊体!?それって、おばけのこと…?こ、こわくないの?
別にホラーじゃねえよ。プレイヤーはその霊体のエイデンを操作して、壁を抜けたり、物を動かしたりできるのがこのゲームのユニークなとこだ。
へえー!面白そう!
でも、お話はどんな感じなの?ネットのひとが「よく意味がわからなかった」って言ってたのが気になるな。
ああ、それはストーリーが非時系列で進むからだろ。子供の頃の話になったかと思えば、急にCIAみたいな組織で任務してたり、ホームレスになったりもする。
話があちこち飛ぶから、それで「とっちらかってる」って言うやつもいる。
わー!色んなことをするんだね!そのジョディちゃんって子、とっても大変だー!
まあな。だが、その波乱万丈な人生が「映画みたいで面白い」って評価もある。
主演はエリオット・ペイジとか、ガチのハリウッド俳優を使ってるから、演技のリアルさはすごいぞ。
はいゆうさん…!なんだかよくわからないけど、すごいんだね!
うーん、おなかがすいてきたかも…。
はいはい、お前の頭がショートする前にやめとくか。
まあ、ごちゃごちゃしてて分からんだろうから、下にどんなゲームかまとめとくわ。
これ読んで、やるかどうか決めろ。
『Beyond: Two Souls』とは? 3つのキーワードで魅力を解説
強み①:霊体エイデンを操る、唯一無二のゲーム体験
- 人間には不可能な、壁抜けや憑依といった特別なアクションが楽しめる
- 主人公を守り、時には物語の謎を解く、もう一人の主人公として活躍できる
- パズルや戦闘で、通常のアドベンチャーゲームとは違うアプローチが求められる
『Beyond: Two Souls』の最大の特徴は、主人公ジョディだけでなく、彼女と精神を共有する霊体「エイデン」を操作できる点にあります。プレイヤーはいつでもジョディ視点とエイデン視点を切り替えることが可能です。
霊体であるエイデンは、壁や障害物を自由にすり抜け、人間には見えないものを見ることができます。さらに、物に干渉して動かしたり、敵の心を操ったり、時には主人公ジョディを守るためにバリアを張ったりと、その能力は多岐にわたります。この「エイデン操作」が、謎解きや戦闘においてユニークな戦略性を生み出しており、他のゲームでは味わえない唯一無二のプレイ体験を提供しています。
強み②:ハリウッド俳優が演じる、映画そのものの物語
- 実力派俳優のリアルな表情や演技で、物語への没入感が格段に高まる
- キャラクターの細かな感情の動きが伝わり、より深く共感できる
- ゲームをプレイするというより、一本の長編映画に参加しているような感覚を味わえる
本作が「まるで映画」と評される最大の理由は、主演にエリオット・ペイジ(旧エレン・ペイジ)とウィレム・デフォーという、世界的に有名なハリウッド俳優を起用している点です。
「フルパフォーマンスキャプチャ」という技術により、彼らの身体の動きだけでなく、声のトーンや微細な表情の変化までがゲームキャラクターに完全再現されています。これにより、登場人物たちの喜び、悲しみ、葛藤といった感情が驚くほどリアルに伝わり、プレイヤーは物語に深く没入することができます。選択によって展開が変わるゲームでありながら、そのクオリティは一級の映画作品に引けを取りません。
知っておきたい評価点:非時系列で語られる波乱万丈な人生
- 主人公の過去と現在が交錯することで、物語の謎が徐々に明らかになる面白さがある
- 断片的なエピソードをつなぎ合わせ、自分なりに物語を解釈する楽しみ方ができる
- チャプターごとに全く異なる体験ができ、プレイヤーを最後まで飽きさせない
本作の物語は、主人公ジョディの幼少期から青年期までを、時間軸通りではなくバラバラ(非時系列)に描いていくという、非常に特徴的な構成になっています。
あるチャプターではCIAのエージェントとして危険な任務に就き、次のチャプターでは幼少期のつらい記憶を追体験する、といった形で物語が展開します。この手法は、時に「話が分かりにくい」と評価が分かれる原因にもなっています。しかし、断片的なエピソードがパズルのピースのようにはまっていくことで、ジョディという人間の全体像や物語の核心に迫っていくカタルシスは、この構成だからこそ味わえる魅力です。チャプターごとに全く異なるシチュエーションが楽しめるため、最後まで新鮮な気持ちでプレイできるでしょう。